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‘恋人を想うこころ’をもって
高齢者や障害者の方たちと向き合って欲しい。
群馬社会福祉大学 社会福祉学部 社会福祉学科 足立 勤一 教授
 足立勤一先生はプロのピアニストとしてのキャリアを持っています。ピアニストとして大いに将来を嘱望されていました。そんな足立先生の人生を一変させたのが交通事故。
「飲酒運転のトラックにはねられ、3日間生死の境をさまよいました。医師からは『生命はとりとめても、社会復帰は無理かもしれない』とまで宣告されるような重傷を負ってしまったのです。九死に一生を得て、長い闘病生活を終え、社会復帰は果たしましたが、プロのピアニストの道は断念せざるを得ませんでした。」と足立先生は当時を振り返ります。
「一度は失いかけた命、これからは自分を育ててくれた音楽を通して、何か他人のお役に立てるような仕事をしよう。」そんな思いから、福祉の世界へと足を踏み入れることになります。

 プロの音楽家としての活動は断念したものの、足立先生の元にはプロを目指す多くのピアニストたちが師事を仰いで集まっていました。そんな中に視覚に障害をもつピアニストがいたのです。足立先生はそういう人たちのために‘点字楽譜’の開発に取り組みます。また、障害者の方たちの演奏を多くの人々に聴いて欲しいとの思いから‘チャペル・リサイタル’をスタート。最初は小さな協会で行っていたこのリサイタルも昨年は東京・新宿のオペラシティで開催するまでに成長、回数も50回を超え文化庁が後援するほどの広がりを見せています。
「日本での福祉の歴史はまだまだ浅く、社会に根づいているとは言えません。しかし、大事なのは福祉に携わる一人ひとりが、自分のできることを少しずつでもコツコツと地道に積み上げ、継続してていくことです。‘高所に立って支援する’のではなく、‘仲間として一緒の輪をつくる’という気持ちでないと、長続きはしませんね。」と、福祉に携わる心構えを語る足立先生は、これから福祉の道を志す高校生に対して、こんなメッセージを贈ってくださいました。
「まず、人間を好きになってください。‘福祉のこころ’は‘恋人や家族を想うこころ’なのです。そういう気持ちで高齢者や障害者と向き合えば、その方たちがいま何を思い何を欲しているか,そして自分が何をしたらよいのかがわかってくるでしょう。」

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