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伝統工芸品の和紙で作った‘こいのぼり’がつなぐ
〈新しいまちづくり〉への期待
足利工業大学 工学部 都市環境工学科 土木史研究室 福島 二朗 准教授
4月下旬、桜の花も散った頃になると、大きな‘こいのぼり’が青空のもと気持ちよさそうに泳ぐ時期がおとずれます。都市部ではあまり見られなくなりましたが、田園地帯ではまだまだ‘端午の節句’の象徴として、私たちの目を楽しませ、心を和ませてくれます。足利工業大学都市環境工学科[土木史研究室]では、学生たちが栃木県那須烏山市の子ども達と一緒に‘こいのぼり’を製作しながら“まちづくり”に関わっています。‘土木史’と‘こいのぼり’・・・一見なんの関連もないような組み合わせですが、実は[土木史研究室]と那須烏山市が連携し、市の魅力を再発見し新たな“まちづくり”につなげようという試みの一つなのです。
「那須烏山市は、市町村合併で生まれたばかりの新しい市です。住民の方たちの新しい市に対する愛着感を高めるとともに、他の地域、つまり外に向けては那須烏山市の魅力を知ってもらうため、この地域の伝統工芸品である‘和紙’を使って‘こいのぼり’を製作したのです。」こう語るのは、[土木史研究室]で指導を担当する福島二朗先生。
「日本で都市計画法が制定されたのは1919年、近代化の早期実現のために国が主導してきました。そのため、地方都市においても近代的な都市整備が促進されましたが、一元化された計画の基に都市づくりがおこなわれたことにより、なかなかその都市独自の色が出しにくかったのです。しかし、このような反省も踏まえ、現在は都市計画の権限が地方自治体に大幅に移譲されるようになりました。その一方で、若者たちの流出による過疎化、高齢化に地方都市は頭を悩ましている現状があります。そこで、各自治体では、地域の個性を生かした“新しいまちづくり”に真剣に取り組むようになったのです。」

まちづくりの根幹をなすのが、道路や鉄道、公園などの土木分野です。福島先生はこの土木分野の中でも特に都市史の研究者として、今後のまちづくりのポイントをこう話してくださいました。
「今、大事なのはソフト面です。人と人との心のつながり、自然環境に配慮した開発、地域コミュニティの再生、そして地域の個性としての歴史や伝統を“まちづくり”にどのように生かしていくか。行政と市民、そしてわれわれ研究機関が役割分担を明確にし、市民主体のまちづくりを行政が支援し、研究機関は市民の立場に立ったアイデアを提供する・・・そんな中から街の再生が進んでいくのです。学生たちのフレッシュなアイデアに大いに期待しているんですよ。」

高校生の皆さん、“まちづくり”に参加してみませんか?
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